HSAN1Aについて

HSAN1A 概要へ戻る

同義語

遺伝性感覚性自律神経性ニュロパチー1A
( Hereditary Sensory Autonomic Neuropathy 1A, HSAN1A)

遺伝性感覚性自律性ニュロパチー1
( Hereditary Sensory Autonomic Neuropathy 1,HSAN1)

遺伝性感覚性ニュロパチー1
(Hereditary Sensory Neuropathy 1, HSN1)

遺伝性感覚性自律性ニュロパチー1A は非常に希少、難治性で、ほとんど人々に知られていない末梢神経疾患です。

発症メカニズム

HSAN1Aは遺伝性(遺伝子の異常による)末梢神経疾患です。原因は、常染色体優性遺伝(autosomal dominant) SPTLC1遺伝子の変異です。このSPTLC1遺伝子はセリンパルミトイル転移酵素長鎖サブユニット1(Serine Palmitoyltransferace Long Chain Subunit 1)を作成することに関する情報を提供します。セリンパルミトイル転移酵素(Serine Palmitoyltransferase; 以下は酵素SPTと略します) は 三つのサブユニットが有り、それぞれSPTLC1、SPTLC2、とSPTLC3 三つの遺伝子が情報を提供することによって構成されています。SPTLC1 遺伝子座は9番染色体上にあり、SPTLC2は14番染色体上に位置し、SPTLC3 は20番染色体上にあります ¹ ⁻ 5。その中で、SPTLC1とSPTLC2遺伝子は、変異(異常)が起こると遺伝性感覚性自律性神経障害(Hereditary Sensory Autonomic Neuropathy, HSAN)を引き起こすことが科学者の研究によって確認されています。SPTLC2 遺伝子の変異はHSAN1Cを起こします⁴ 。酵素SPTの正常功能はL-セリンとパルミトイルCoAを縮合することを触媒し、これはスフィンゴ脂質を生成する初発律速段階です⁶。スフィンゴ脂質は、ヒトの細胞膜の組成における重要な成分です。

正常の酵素SPTの役割は、アミノ酸L-セリンとパルミトイル-CoAを結合することを手助けし、スフィンガニン(Sphinganine)を産出することです。これは、スフィンゴ脂質(Sphingolipids)を生成する一連の生化学的連鎖反応の最初のステップです。しかし、変異したSPTLC1 は酵素SPTを他の2種類のアミノ酸アラニン (alanine)およびグリシン (Glycine) との親和性を増加させ、アラニンと反応するとデオキシスフィンガニン(1-deoxy-Sphinganine; 略語1-deoxySA)を産出し、グリシンと反応するとデオキシメチルスフィンガニン(1-deoxymethyl-sphinganine)を生成し、これらの脂質はデオキシスフィンゴ脂質類 (1-Deoxy-Sphingolipids, 略語1-deoxySL)と呼ばれます。研究によりますと、デオキシスフィンゴ脂質類の生化学構造はスフィンゴ脂質の生化学構造と部分的に違いがあるため、次の段階の生化学反応に参加出来ず、正常なスフィンゴ脂質の代謝経路で分解することもできず、したがって細胞の中に蓄積し、プラスマの中にも存在します ⁶。デオキシスフィンゴ脂質類は神経に毒性を持ち、坐骨神経に多く蓄積しますが、脳や脊髄にはほとんど蓄積されません。したがって、末梢神経系に損傷を与えますが、中枢神経系にはあまり損傷を与えません。末梢神経系の感覚神経、運動神経、自律神経がすべて影響されます。実験によりますと、感覚神経は運動神経よりデオキシスフィンゴ脂質類に損傷されやすいことを示し、自律神経への影響はそれほど深刻ではないようです6,13,16

通常の酵素SPTはセーリンと反応し、スフィンガニンを生成しますが、変異した酵素SPTはアラニン、もしくはグリシンと組み合わせてしまい、1-デオキシスフィンガニンとデオキシメチルスフィンガニンを産出し、両方ともスフィンガニンのC1におけるOHグループがないので、最終的にスフィンゴ脂質を生成する次の生化学反応に参加できず、細胞の中に蓄積してしまい、末梢神経に損害を与えます。        Penno et al. J Bio Chem. 2010

デオキシスフィンゴ脂質類は、ミトコンドリア機能障害を引き起こすことによって神経細胞に損傷を与えます。ミトコンドリアは、細胞の生化学反応にパワーを供給するために必要なエネルギーを産生する役割があります。少量のデオキシスフィンゴ脂質類はミトコンドリアに害を及ぼしませんが、濃度が高くなると、ミトコンドリアの形状を変化させたり、化学構造を変えたり、断片化させることさえあります。濃度が1μMに達すると、細胞は死亡します⁹ 。

ミトコンドリア, 細胞内の小器官の一つであり、細胞の生存と正常の働きを維持するエネルギーを産生する役割があるので、細胞内のエネルギー工場とも呼ばれます。(画像の提供:アメリカ国立ヒトゲノム研究所。https://www.genome.gov/genetics-glossary/Mitochondria)

デオキシスフィンゴ脂質類は、正常な人や健康な人の体内にも形成しますが、その量は非常に少なく、約0.1〜0.3μMであり、細胞に影響を与えません。ただし、HSAN1Aの患者は1.2μMに達する可能性があります。高量の1-deoxySLは、2型糖尿病とメタボリック症候群の患者にも見られます⁹。

症状

HSAN1Aは末梢神経に影響します。患部は主に足と手ですが、重症の場合は大腿や上腕にまで及ぶことがあります。感覚神経、運動神経、自律神経はすべて損傷される可能性があり、そのうち感覚神経が最も深刻な影響を与えられます。

病気の初期は下肢遠位部に異常痛症(hyperpathia)の過渡期を持ち、その後、皮膚は徐々に温度や痛みの感覚を失います。しばらくすると、感覚の失いの症状が手にも現れます。感覚が失われたため、患者は知らないうちに患部に火傷をしたり、ケガしたりすることがよくあります10,11,13。傷口が適切に治療されないと、繰り返し感染し、長期潰瘍により骨髄炎を引き起こし、指や趾の切断に至る恐れがあります。病気が進行すると、手足に灼熱痛(burning)、しびれ感(tingling)や感電痛(shooting pain)などが伴ってきます。胴体の方は下腹部の正中線から感覚が失われ、そして両側と上胸に広がる患者が見られます。上下肢遠位部の関節の固有受容感覚と振動覚も影響されますが、それほど深刻ではなく、大抵皮膚が痛みと温度を区別する能力を失った後に発生します¹⁰ 。

HSAN1A患者の手足先端部のしびれ感、灼熱痛や感電痛

多数の患者の運動神経機能も異なる程度での障害を受けます。それが起こった場合、患者の手と足は筋力低下や筋肉萎縮を起こし、足首が弱くなり、つま先で立つことができない、かかとで歩くことができなくなります。より重症の場合、筋萎縮はふくらはぎにも起こリ、ももにまで広がることがあります10,11。同じ症状が上肢に現れると、指に力が入りにくくなり、ボタンをはめる、針を使う、靴ひもを結ぶなどの細かい手作業が難しくなります。上肢の症状は、大抵下肢の初期症状から数年後に発生します。

HSAN1Aは、シャルコー関節症、凹足、扁平足、ハンマー趾などの足関節の変形を引き起こす可能性もあります10,11。病気の中期および後期では、患者は下肢装具、ウォーカー、車椅子、などの補助器具を使用する必要場合があります。

自律神経機能の障害については、これまで、胃腸症状(腹痛、便秘、下痢、鼓腸、体重減少)、心拍の問題、低血圧、異常な発汗(過度の発汗、発汗減少、または発汗なし)血管運動機能障害(vasomotor dysfunction)などの症例が見られます10,11,12。皮膚に関しては、患部の皮膚がよりデリケートになる場合があります13。目については、瞳孔収縮異常(瞳孔緊張症; tonic pupil)を引き起こす可能性があります12。一部の変異座位には、若年性白内障の記録があります⁸,15。最新の研究によると、高量のデオキシスフィンゴ脂質が黄斑部毛細血管拡張症(MacTel)Type2 を引き起こす可能性があります14

HSAN1Aは感音難聴(Sensorineural Hearing Loss)を引き起こす可能性があり、それが発生する場合は中年以降になります。知能は基本的に影響を受けることはありません。寿命については、イギリスのHSAN1Aに影響された6家族を対象にした調査によると、HSAN1Aの家族成員の平均寿命は67歳であり、イギリスの一般市民の平均年齢よりも短くなっています。その理由はこの病気の合併症であると推測されています10。また、これまでの文献によると、ある変異位置S331が極めて深刻な症状を起こし、そのうち20代で重症で亡くなる症例があります15

発症時期

症状の出現は一般的に10歳から60歳頃までが多いのですが、小児期に開始する患者もいます¹²。小児期に発症した患者は通常、より重篤な症状を呈します8,10,15

この疾患の発症年齢や症状や重症度は人によって違ってきます。違う家族の間、あるいは同じ家族でも違う成員の間で異なる臨床症状が現れることは可能です10。一般に、症状がどのように呈するかは変異の種類と患者のプラズマの1-deoxySLレベルに関わります9。より高い1-deoxySLレベルは、神経へのより多くの損傷を引き起こし、症状の重症度を高める傾向があります。過度のアルコール摂取は症状を悪化させる可能性があります6。他のレスキュー遺伝子または後天的/環境的ファクターも、患者一人ひとりの症状がどのように現れるのかに関与すると推測されています10

HSAN1A と CMT の関連性

シャルコーマリートゥース病(Charcot Marie Tooth disease, 略語CMT)は最も頻度の高い主に遺伝子異常による末梢神経疾患の総称です。この病気の特徴は緩徐に末梢神経の運動神経と感覚神経機能を損害し、影響される部分は主に手と足です。CMT患者の典型的症状は手と足の遠位部優位が筋力低下と萎縮、また温度や痛みに対しての感覚が鈍くなることなどです。今までは少なくとも120種類以上の遺伝子がCMTの症状に関連していることがわかっています。つまり、この120種類のどれかが異常になると、CMTの症状を起こします。CMTは末梢神経の運動神経と感覚神経を損害するため、遺伝性運動感覚ニュロパチー(Hereditary Motor and Sensory Neuropathy, HMSN)とも呼ばれます。HSANタイプ1Aは、病名からは感覚神経と自律神経にのみ影響を与えるように聞こえますが、上に述べた症状によって、運動神経が影響されることはよくあります。HSAN1Aの患者の中で、もしも運動機能と感覚機能低下の症状を現し、そして自律神経機能の損傷を伴っていない、あるいは顕著でない場合は臨床的にCMT(またはHMSN)と診断されます10,17。近年、SPTLC1およびSPTLC2に関連する神経筋疾患は、HSANに分類されるだけでなく、CMT (タイプ2, 軸索タイプ)またはHMSN (タイプ2 )の原因遺伝子としてリストされています12,18

診断

HSAN1A の診断は詳細な臨床評価、家族歴調査、筋電図検査、神経伝導検査、自律神経機能検査(autonomic reflex test)、遺伝子検査によって行われ、デオキシスフィンゴ脂質の血液分析が必要とされる場合はスイスのチューリッヒ大学の研究室で行うことができます6,12,16 。

有病率

HSAN1Aの有病率は約人口10万人に1人から100万人に2人と言う報告があります11,12  。しかし、実際の数字を知ることは困難で、その原因の一つは一部の患者は手足の感覚機能と運動機能の損害しか現してないため、シャルコーマリートゥース病と診断されます。SPTLC1 は以前CMTの原因遺伝子の一つだと認められていなかったため、この遺伝子を携帯している患者は遺伝子検査をしても、検出することが出来ないことになります。したがって、これらの数字よりもっと多い可能性があると言ってもいいかもしれません。

治療法

残念ながら、今は特にHSAN1Aを完治する治療法はありません。しかし、近年の経口投与L-セリん療法が注目されています。変異した酵素SPTはL-セリンと結合だけではなく、アラニンやグリシンとも結合するため、研究者たちは、もしもヒトの体の中でセリン/アラニンの比を高めことができたら、変異した酵素SPTをセリンと結びつける機会を増加させ ることができ、アラニンやグリシンとの結びつく機会を減少させることができたら、デオキシスフィンゴ脂質類(1-DeoxySL)の生成を減らし、それによって病気の進行を遅らせることになるのではないか、と考えられていました。

研究チームは実験で、SPTLC1 C133W 遺伝子変異を携帯するモデルマウスの食事にL-セリンを 10% 増加させ、わずか 2 ~ 4 日以内に 1-deoxySA レベルが大幅に減少したことを発見しました。また、10 か月間セリンを摂取したモデルマウス (食事にL-セリンが 10% 増加) では、機械的感受性と運動のパフォーマンスが未治療の C133W マウスより改善されました 13

この結果に基づいて、研究者たちは2010年に初めてL-セリンの人体試験を行いました。これは、SPTLC1 C133Y 変異を持つ 14 人のHSAN1A 患者を対象とした 10 週間の短期試験です。患者は 2 つのグループに分けられ、200 mg/kg/dayの低用量 (患者の体重によって1 日 1 キロあたり 200 mg のセリン) と 400 mg/kg/dayの高用量のL-セリンが投与されました。結果は、両方のグループのデオキシスフィンゴ脂質類(1-deoxySL) のレベルが一か月以内に下がり、高用量のグループは低用量グループよりも減少することを示しました。また、試験に参加した一部の患者は手のしびれや生理痛などの感覚の増加、皮膚の硬さ(firmness)がよくなり、髪と爪の成長スピードが速くなったとの自覚報告がありました13。(今回の研究の焦点は主に患者の体内の生化学反応を測定することであるため、運動能力や感覚のパフォーマンスへの影響は評価されませんでした。患者の長い間の神経損傷は、短期間の治療で回復する可能性が低いため、臨床表現が改善できるとは期待できないからです。)

研究チームは、2017 年に HSAN1A 患者を対象とした 2 年間の経口投与L-セリン臨床試験 (ClinicalTrial.gov Identifier NCT 01733407) を完了しました。 これには無作為化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間比較試験後に長期オープン試験期に移行する試験(parallel-group trial with open-label extension)合計 18 人の HSAN1A 患者が参加しました。

患者は無作為に同じ人数の 2 つのグループ 、に分けられ、一方のグループにはL-セリン、もう一方のグループにはプラセボが投与されました。1年目にL-セリングループには、400mg/kg/day(1 日あたり体重 1 キロあたり 400 mg)のL-セリンが与えられ、もう一方のグループには同じ用量のプラセボが与えられました。 2 年目には、両方のグループとも 1 年目と同じ量のL-セリンを摂取しました。合計 16 人の参加者が試験を完了しました。試験結果は、L-セリングループが二年連続で四肢の感覚と力が改善されたことを示しました (シャルコー・マリー・トゥース ニューロパシー スコア 第二版で評価される)プラセボグループでは、1 年目に悪化し、2 年目に症状が改善されました。

デオキシスフィンゴ脂質類のプラズマ中のレベル変化については、1-deoxySA では 1 年目 の終わりにL-セリングループは60% 減少し、プラセボグループでは 9% 増加しました。プラセボグループは 2 年目にL-セリンを摂取し始め、そして2 年目の終わりには、プラセボグループの 1-deoxySA が 66% 減少しました。この臨床試験では、重篤な副作用は発生しませんでした (軽度から中等度の副作用については、文献の e366 ページを参照してください*)。 この臨床試験では、高用量のL-セリン治療は安全であるようであり、HSAN1A患者の病気の進行を遅らせる効果を潜めているとの結論が出ました16

(付記:上記の臨床試験に参加した患者の数は非常に少なかったため、HSAN1A患者がLーセリンの服用を希望する場合は、医師と相談し、医師の指示の上で使用してください)

病的多様体

今まで、HSAN1Aの病的変異はSPTLC1 p.C133W, C133Y, C133R, C133F, V144D, S331F, S331Y, A352Vが確認されています1,2,7,8,19

遺伝様式

HSAN1A の遺伝様式は常染色体優性遺伝

左:両親のどちらか罹病している場合、子供が受け継ぐ可能性は50%
右:両親2人とも健康(変異なし)の場合、子供は新生突然変異(De novo mutation)により発病
(画像の提供: アメリカ国立医学図書館)

HSAN1Aの疑いがある患者に

アメリカの国立衛生研究所(National Institutes of Health; NIH)のウェブサイトに掲載された文献によると、もしこれらの症状と一致する場合は、かかった疾患はSPTLC1遺伝子の変異によって引き起こされたことを疑うべきです。1. 初症状は感覚神経障害から始まり、後に運動性および感覚性軸索障害に進行する。2. 手足の先端はケガをしても痛みが無く、神経性関節障害(シャルコ関節症)が現れ、時には切断が必要となる。3. 遠位筋力低下から四肢近位に拡がる。4.病気がある段階に至ると、感電痛が発生する。5.一部の患者に感音難聴(sensorineural hearing loss)の症状がある。6.常染色体優性遺伝の家族歴があること(孤発性、つまり家族歴なしの新生変異(de novo mutation)のHSAN1患者は極めて少数しか確認されていない) 12

文献  

Bejaoui K, Wu C, Scheffler MD, Haan G, Ashby P, Wu L, de Jong P, Brown RH Jr. SPTLC1 is mutated in hereditary sensory neuropathy, type 1. Nat Genet. 2001 Mar;27(3):261-2. doi: 10.1038/85817. PMID: 11242106. 

Dawkins JL, Hulme DJ, Brahmbhatt SB, Auer-Grumbach M, Nicholson GA. Mutations in SPTLC1, encoding serine palmitoyltransferase, long chain base subunit-1, cause hereditary sensory neuropathy type I. Nat Genet. 2001 Mar;27(3):309-12. doi: 10.1038/85879. PMID: 11242114.

Hornemann T, Penno A, Rütti MF, Ernst D, Kivrak-Pfiffner F, Rohrer L, von Eckardstein A. The SPTLC3 subunit of serine palmitoyltransferase generates short chain sphingoid bases. J Biol Chem. 2009 Sep 25;284(39):26322-30. doi: 10.1074/jbc.M109.023192. Epub 2009 Aug 1. PMID: 19648650; PMCID: PMC2785320.

Online Mendelian Inheritance in Man, OMIM®. Johns Hopkins University, Baltimore, MD. MIM Number: {605713}: {2019 Nov 4}: World Wide Web URL: https://omim.org/

Online Mendelian Inheritance in Man, OMIM®. Johns Hopkins University, Baltimore, MD. MIM Number: {611120}: {2010 Sept 23}:  World Wide Web URL: https://omim.org/

Penno A, Reilly MM, Houlden H, Laurá M, Rentsch K, Niederkofler V, Stoeckli ET, Nicholson G, Eichler F, Brown RH Jr, von Eckardstein A, Hornemann T. Hereditary sensory neuropathy type 1 is caused by the accumulation of two neurotoxic sphingolipids. J Biol Chem. 2010 Apr 9;285(15):11178-87. doi: 10.1074/jbc.M109.092973. Epub 2010 Jan 22. PMID: 20097765; PMCID: PMC2856995.

Rotthier A, Penno A, Rautenstrauss B, Auer-Grumbach M, Stettner GM, Asselbergh B, Van Hoof K, Sticht H, Lévy N, Timmerman V, Hornemann T, Janssens K. Characterization of two mutations in the SPTLC1 subunit of serine palmitoyltransferase associated with hereditary sensory and autonomic neuropathy type I. Hum Mutat. 2011 Jun;32(6):E2211-25. doi: 10.1002/humu.21481. Epub 2011 Feb 24. PMID: 21618344.

Auer-Grumbach M, Bode H, Pieber TR, Schabhüttl M, Fischer D, Seidl R, Graf E, Wieland T, Schuh R, Vacariu G, Grill F, Timmerman V, Strom TM, Hornemann T. Mutations at Ser331 in the HSN type I gene SPTLC1 are associated with a distinct syndromic phenotype. Eur J Med Genet. 2013 May;56(5):266-9. doi: 10.1016/j.ejmg.2013.02.002. Epub 2013 Feb 27. PMID: 23454272; PMCID: PMC3682180.

9Alecu I, Tedeschi A, Behler N, Wunderling K, Lamberz C, Lauterbach MA, Gaebler A, Ernst D, Van Veldhoven PP, Al-Amoudi A, Latz E, Othman A, Kuerschner L, Hornemann T, Bradke F, Thiele C, Penno A. Localization of 1-deoxysphingolipids to mitochondria induces mitochondrial dysfunction. J Lipid Res. 2017 Jan;58(1):42-59. doi: 10.1194/jlr.M068676. Epub 2016 Nov 23. PMID: 27881717; PMCID: PMC5234710.

10 Houlden H, King R, Blake J, Groves M, Love S, Woodward C, Hammans S, Nicoll J, Lennox G, O’Donovan DG, Gabriel C, Thomas PK, Reilly MM. Clinical, pathological and genetic characterization of hereditary sensory and autonomic neuropathy type 1 (HSAN I). Brain. 2006 Feb;129(Pt 2):411-25. doi: 10.1093/brain/awh712. Epub 2005 Dec 19. PMID: 16364956.

11 Reilly MM.  Hereditary sensory neuropathy type 1 [Internet].  Danbury (CT): National Organization for Rare Disorders; 1991 [updated 2017; cited 2020 Nov 1].  Available from: https://rarediseases.org/rare-diseases/hereditary-sensory-neuropathy-type-i/

12  Nicholson GA. Hereditary Sensory Neuropathy Type IA. 2002 Sep 23 [Updated 2015 Sep 10]. In: Pagon RA, Adam MP, Ardinger HH, et al., editors. GeneReviews® [Internet]. Seattle (WA): University of Washington, Seattle; 1993-2018. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/medgen/C0020071

13 Garofalo K, Penno A, Schmidt BP, Lee HJ, Frosch MP, von Eckardstein A, Brown RH, Hornemann T, Eichler FS. Oral L-serine supplementation reduces production of neurotoxic deoxysphingolipids in mice and humans with hereditary sensory autonomic neuropathy type 1. J Clin Invest. 2011 Dec;121(12):4735-45. doi: 10.1172/JCI57549. PMID: 22045570; PMCID: PMC3225995.

14 Gantner ML, Eade K, Wallace M, Handzlik MK, Fallon R, Trombley J, Bonelli R, Giles S, Harkins-Perry S, Heeren TFC, Sauer L, Ideguchi Y, Baldini M, Scheppke L, Dorrell MI, Kitano M, Hart BJ, Cai C, Nagasaki T, Badur MG, Okada M, Woods SM, Egan C, Gillies M, Guymer R, Eichler F, Bahlo M, Fruttiger M, Allikmets R, Bernstein PS, Metallo CM, Friedlander M. Serine and Lipid Metabolism in Macular Disease and Peripheral Neuropathy. N Engl J Med. 2019 Oct 10;381(15):1422-1433. doi: 10.1056/NEJMoa1815111. Epub 2019 Sep 11. PMID: 31509666.

15 Suh BC, Hong YB, Nakhro K, Nam SH, Chung KW, Choi BO. Early-onset severe hereditary sensory and autonomic neuropathy type 1 with S331F SPTLC1 mutation. Mol Med Rep. 2014 Feb;9(2):481-6. doi: 10.3892/mmr.2013.1808. Epub 2013 Nov 18. PMID: 24247255.

16 Fridman V, Suriyanarayanan S, Novak P, David W, Macklin EA, McKenna-Yasek D, Walsh K, Aziz-Bose R, Oaklander AL, Brown R, Hornemann T, Eichler F. Randomized trial of l-serine in patients with hereditary sensory and autonomic neuropathy type 1. Neurology. 2019 Jan 22;92(4):e359-e370. doi: 10.1212/WNL.0000000000006811. Epub 2019 Jan 9. PMID: 30626650; PMCID: PMC6345118. 

17 Scherer SS. The debut of a rational treatment for an inherited neuropathy? J Clin Invest. 2011 Dec;121(12):4624-7. doi: 10.1172/JCI60511. PMID: 22045569; PMCID: PMC3226011.

18 https://neuromuscular.wustl.edu/time/hmsn.html

19 C.T. Hsiao, H. C. Chao, Y.C. Liao, K.P. Lin, B.W. Soong, Y.C. Lee, Investigation for SPTLC1 mutations in a Taiwanese cohort with hereditary neuropathies. Journal of the Neurological Science. 2017. https://doi.org/10.1016/j.jns.2017.08.3516

20 Heiko Bode, Florence Bourquin, Saranya Suriyanarayanan, Yu Wei, Irina Alecu, Alaa Othman, Arnold Von Eckardstein, Thorsten Hornemann, HSAN1 mutations in serine palmitoyltransferase reveal a close structure–function–phenotype relationship, Human Molecular Genetics, Volume 25, Issue 5, 1 March 2016, Pages 853–865, https://doi.org/10.1093/hmg/ddv611